ポケモンH.G.トリップもののメモ帳。
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ウツギ博士は説明した。今でこそモンスターボールで持ち運びされているポケモンだが、昔の人達はポケモンを連れて歩いていたらしいのだと。人間がポケモンを連れ歩く事で、何か繋がりや絆のようなものができるのかもしれない。人がポケモンを連れ歩いた時、ポケモンの精神にどのような影響が出るのかを研究しているのだと。
(……はれ?)
ミレイは首を傾げた。
「あの……博士。ヒビキ君はマリルを連れて歩いてますよね?」
ヒビキ、というのは、ミレイを見付けた少年の名だ。彼はちょくちょくミレイのお見舞いに来るが、彼の横にはいつもマリルの姿があった。というかそもそも最初にミレイを見付けて飛び付いたのはマリルの方らしい。
「うん、ヒビキ君にも手伝ってもらってるんだ。ミレイちゃんも、やってみる気はない?」
「やりたいですっ! ……けど、わたし……ポケモンは……」
連れて歩きたくても、連れて歩けるポケモンがいない。ポケモンの実在しない世界からトリップしてきたミレイには。
ミレイの言葉は尻すぼみになっていき、目線も段々落ちていく。しかし、ウツギ博士はサラリととんでもない事を言った。
「ん? ああ、ポケモンは一匹、研究所のをあげるよ。ついでにこの機会に、トレーナー登録もしたらどうかな。15歳なら、そろそろそういう年だしね。早い子なら10歳にもならないうちに登録に来るよ」
(だからわたしは15ちゃうんですけどー!)
心の中で突っ込みつつも、今ここで再び実年齢を主張しても話がややこしくなるだけだと判断したミレイは、その突っ込みを口に出す前に飲み込む。
幸い、気持ちを切り替えるには十分すぎるネタが、他にもあった。言うまでもない。ポケモンを貰えるという夢のような話の方だ。だからミレイは、素直に勢い良く頭を下げた。
「ありがとうございますっ!!」
「うん、じゃあこっちにおいで」
もうスキップに近い足取りで、ミレイはウツギ博士について研究所の奥の部屋に入る。奥の部屋の更に奥にはパソコンがあって、博士はそれを起動させた。
「はい、ここに名前を打ち込んで。登録できたら、カードが出てくる筈だから」
「名前だけで良いんですか?」
「うん、最近は技術も進歩したからね。認証に必要なあれこれは、それで取れるらしいよ。僕はそっちに関しては専門外だから、どういう仕組みなのかは分からないけれど」
何認証!? と聞きたかったのに先回りされ、ミレイはちょっと肩を落としつつもパソコンに名前を打ち込む。Enterキーに乗せた指先が、緊張で突っ張った感じがした。
(……えいっ!)
――ピロリロリン♪
『ミレイさんの登録が完了しました。トレーナーカードをお受け取り下さい』
ペカーッとパソコンの横が光り、カードがその中から現れた。
(マジに謎技術ー!!!)
どうしてだろう、このカードに触るのが何となく怖いのだが(爆)
「ちゃんと登録できたみたいだね」
ウツギ博士の方は何ともあっさりカードを持ち上げ、裏表を確認すると、それをミレイに渡してきた。流石に受け取らない訳にもいかず、ミレイはおっかなびっくり自分のトレーナーカードを受け取る。
(あ、裏にサインを書く場所があるんや)
「名前書いとけば良いんですかね?」
「いや、そっちのはどっちでも良いらしいよ。好みの問題だってさ。だって、ちゃんと表に印刷されてるだろ?」
「……どんな好みの問題なんですか」
思わず突っ込みを自重できなくなったミレイに、ウツギ博士はあははと困ったように笑うしかなかった。彼だって、そんな事は知らないのだ。
(……はれ?)
ミレイは首を傾げた。
「あの……博士。ヒビキ君はマリルを連れて歩いてますよね?」
ヒビキ、というのは、ミレイを見付けた少年の名だ。彼はちょくちょくミレイのお見舞いに来るが、彼の横にはいつもマリルの姿があった。というかそもそも最初にミレイを見付けて飛び付いたのはマリルの方らしい。
「うん、ヒビキ君にも手伝ってもらってるんだ。ミレイちゃんも、やってみる気はない?」
「やりたいですっ! ……けど、わたし……ポケモンは……」
連れて歩きたくても、連れて歩けるポケモンがいない。ポケモンの実在しない世界からトリップしてきたミレイには。
ミレイの言葉は尻すぼみになっていき、目線も段々落ちていく。しかし、ウツギ博士はサラリととんでもない事を言った。
「ん? ああ、ポケモンは一匹、研究所のをあげるよ。ついでにこの機会に、トレーナー登録もしたらどうかな。15歳なら、そろそろそういう年だしね。早い子なら10歳にもならないうちに登録に来るよ」
(だからわたしは15ちゃうんですけどー!)
心の中で突っ込みつつも、今ここで再び実年齢を主張しても話がややこしくなるだけだと判断したミレイは、その突っ込みを口に出す前に飲み込む。
幸い、気持ちを切り替えるには十分すぎるネタが、他にもあった。言うまでもない。ポケモンを貰えるという夢のような話の方だ。だからミレイは、素直に勢い良く頭を下げた。
「ありがとうございますっ!!」
「うん、じゃあこっちにおいで」
もうスキップに近い足取りで、ミレイはウツギ博士について研究所の奥の部屋に入る。奥の部屋の更に奥にはパソコンがあって、博士はそれを起動させた。
「はい、ここに名前を打ち込んで。登録できたら、カードが出てくる筈だから」
「名前だけで良いんですか?」
「うん、最近は技術も進歩したからね。認証に必要なあれこれは、それで取れるらしいよ。僕はそっちに関しては専門外だから、どういう仕組みなのかは分からないけれど」
何認証!? と聞きたかったのに先回りされ、ミレイはちょっと肩を落としつつもパソコンに名前を打ち込む。Enterキーに乗せた指先が、緊張で突っ張った感じがした。
(……えいっ!)
――ピロリロリン♪
『ミレイさんの登録が完了しました。トレーナーカードをお受け取り下さい』
ペカーッとパソコンの横が光り、カードがその中から現れた。
(マジに謎技術ー!!!)
どうしてだろう、このカードに触るのが何となく怖いのだが(爆)
「ちゃんと登録できたみたいだね」
ウツギ博士の方は何ともあっさりカードを持ち上げ、裏表を確認すると、それをミレイに渡してきた。流石に受け取らない訳にもいかず、ミレイはおっかなびっくり自分のトレーナーカードを受け取る。
(あ、裏にサインを書く場所があるんや)
「名前書いとけば良いんですかね?」
「いや、そっちのはどっちでも良いらしいよ。好みの問題だってさ。だって、ちゃんと表に印刷されてるだろ?」
「……どんな好みの問題なんですか」
思わず突っ込みを自重できなくなったミレイに、ウツギ博士はあははと困ったように笑うしかなかった。彼だって、そんな事は知らないのだ。
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