ポケモンH.G.トリップもののメモ帳。
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「ここが我が家でーす」
欠伸を噛み殺しながら、ミレイが言った。
周りに比べたら小さな一軒家の前だ。
「ん、よし、車ない。親留守や。遠慮なく連れ込める」
「連れ込めるて、おい。何か誤解招くぞ、その言い方。寝惚けんのも大概にせい」
弟にそう突っ込まれる程度には、ミレイは眠そうだった。眠いだろ、という指摘は的を射ていた訳だ。
「んにゅ……」
ミレイは目をこすった。
「寝ちゃったら、余計眠い……」
「そっけ」
玄関前で立ち尽くす姉に代わり、弟が扉の鍵を開ける。……鍵を開ける?
ミレイが気付いたように、説明した。
「ああ、こっちは結構物騒なんよ。この周りで空き巣に入られた事ないんってうちだけやんな?」
「あー、そうやな。ぼろいからしゃーない。向こうは入りたい放題なんやっけ?」
「おーう。入りたい放題、取りたい放題……」
眠気のせいか、普段よりも間延びした調子で弟に答えるミレイ。
……何て物騒な世の中だ、と突っ込むべきなのか、こっちが長閑すぎると考えるべきなのか。
「そこ疑問やんな。殺人事件とかないんかな」
「聞いた事ない。リィちゃん、あったっけ」
「いや、こっちではそんな物騒なのか!?」
予想以上の物騒さに思わず声を上げたら、ミレイは淡々と弟に返事した。
「ほら、なさそう」
「おー」
そのままこちらを見て、一言。
「あ、大丈夫よ。日常茶飯事レベルやないから」
「いやいやそんな問題か!?」
「そんな問題。さ、ご近所さんに見っかる前に入ろうか」
姉弟は家に上がるとそのまま二階へと上がっていった。
「んー。パソコンの部屋でえっかな?」
「やな。ねーちゃんの部屋、足の踏み場もないしな」
「えー。足の踏み場っつうか通り道はあるよ。ひたすら散らかってるだけで」
そんな事を言いながら、ミレイは階段を上って左側にある部屋に入って行った。覗き込めば、入り口の半分に既に何かの書籍が積み置かれていて、狭い。机の上には、土砂崩れを起こしそうな程に色んな何かが積み上がっている。
「あ、アルセウスさんはこっちで。姉は上着を部屋に置いたら来ますから」
ミレイの弟が手招きしているのは、階段を上がってまっすぐ進んだところにある部屋。そこはあまり物のない部屋で、正面にテレビがある事だけが分かった。
階段の右側にも部屋があったが、その扉は閉ざされていた。
「……オレは?」
「どっちでも好きな方にどーぞ」
明らかに何かを期待しているような食えない笑みで言って下さるミレイの弟。こいつはウタタの同類かもしれない。
だが、せっかく機会をくれたのだからと、それに乗っかる事にした。
※鍵の下りは省略するかもしれません。よく考えたら合鍵ネタとか書いた事あるし。
欠伸を噛み殺しながら、ミレイが言った。
周りに比べたら小さな一軒家の前だ。
「ん、よし、車ない。親留守や。遠慮なく連れ込める」
「連れ込めるて、おい。何か誤解招くぞ、その言い方。寝惚けんのも大概にせい」
弟にそう突っ込まれる程度には、ミレイは眠そうだった。眠いだろ、という指摘は的を射ていた訳だ。
「んにゅ……」
ミレイは目をこすった。
「寝ちゃったら、余計眠い……」
「そっけ」
玄関前で立ち尽くす姉に代わり、弟が扉の鍵を開ける。……鍵を開ける?
ミレイが気付いたように、説明した。
「ああ、こっちは結構物騒なんよ。この周りで空き巣に入られた事ないんってうちだけやんな?」
「あー、そうやな。ぼろいからしゃーない。向こうは入りたい放題なんやっけ?」
「おーう。入りたい放題、取りたい放題……」
眠気のせいか、普段よりも間延びした調子で弟に答えるミレイ。
……何て物騒な世の中だ、と突っ込むべきなのか、こっちが長閑すぎると考えるべきなのか。
「そこ疑問やんな。殺人事件とかないんかな」
「聞いた事ない。リィちゃん、あったっけ」
「いや、こっちではそんな物騒なのか!?」
予想以上の物騒さに思わず声を上げたら、ミレイは淡々と弟に返事した。
「ほら、なさそう」
「おー」
そのままこちらを見て、一言。
「あ、大丈夫よ。日常茶飯事レベルやないから」
「いやいやそんな問題か!?」
「そんな問題。さ、ご近所さんに見っかる前に入ろうか」
姉弟は家に上がるとそのまま二階へと上がっていった。
「んー。パソコンの部屋でえっかな?」
「やな。ねーちゃんの部屋、足の踏み場もないしな」
「えー。足の踏み場っつうか通り道はあるよ。ひたすら散らかってるだけで」
そんな事を言いながら、ミレイは階段を上って左側にある部屋に入って行った。覗き込めば、入り口の半分に既に何かの書籍が積み置かれていて、狭い。机の上には、土砂崩れを起こしそうな程に色んな何かが積み上がっている。
「あ、アルセウスさんはこっちで。姉は上着を部屋に置いたら来ますから」
ミレイの弟が手招きしているのは、階段を上がってまっすぐ進んだところにある部屋。そこはあまり物のない部屋で、正面にテレビがある事だけが分かった。
階段の右側にも部屋があったが、その扉は閉ざされていた。
「……オレは?」
「どっちでも好きな方にどーぞ」
明らかに何かを期待しているような食えない笑みで言って下さるミレイの弟。こいつはウタタの同類かもしれない。
だが、せっかく機会をくれたのだからと、それに乗っかる事にした。
※鍵の下りは省略するかもしれません。よく考えたら合鍵ネタとか書いた事あるし。
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