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ポケモンH.G.トリップもののメモ帳。
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「……あ、そうなんや」
 ミレイが何を言ったのか、青年は気が抜けたように返事した。
「でも、俺が聞いてたんと歳違うけど?」
「そこは、わたしっちゅう前例あるし」
「そっけ。あ、ねーちゃん先飲む? 水やけど」
 青年は持っていたペットボトルをミレイに渡すと、オレに軽く頭を下げた。
「何か勘違いしてたみたいですんません。弟です。姉が超お世話になったそうで」
「あ、ああ。でも、何て呼べば良いんだ?」
「そーですねー」
 ミレイの弟は、腕を組んだ。
「はね、とか、とり、とか。もしくはオウムとか」
「オウムやからむぅちゃんね。ちなみに本名は満」
「こらねーちゃん。人のプライバシー勝手にばらすなし」
「更にちなみにわたしはここではミスズです」
「いや、そーゆー問題じゃねーし」
 姉弟はポンポンとテンポ良く喋る。
「えーと、で、リィさんも、よくこんな所来ましたねー。っていうか、来れましたね」
「ああ。アル……じゃなくて、碓井に連れてきてもらった」
 二人は顔を見合わせた。
「……どう考えてもアルセウスやよね」
「どー考えてもアルセウスだな」
「リィちゃん、その、えーっと……」
「碓井さん」
「サンクスむぅ。碓井さんは、どこにおんの? 呼んでこなくてええん?」
 そういえば、彼は今、どこにいるのだろう。まだ店内にいるのだろうか。
「会えたようだな」
 あまりにもタイミング良く、背後からアルセウスの声が聞こえてきて、危うく飛び上がりそうになった。
「リィちゃんを成長させたのは碓井さんですか?」
 ミレイがごく普通の調子で尋ねている。
「ああ。ウタタがそう頼んできた。身長的にも外見年齢的にも釣り合わせた方が良いだろう、とな」
「そーいやターちゃんとはオフ会やった事ありました……」
 苦笑いする姉を後目に、弟も口を開く。
「俺も一つ聞いて良いですか。ここには、どれくらいいるつもりなんですか? まさか、即帰ったりしませんよね?」
「ふむ。目的は達成したし、あまり長居するつもりはないのだが」
 アルセウスに対して、彼は淡々と続けた。
「じゃあ、一旦うちに遊びに来ます? 今日ならちょうど、親も出掛けてるんで」

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