ポケモンH.G.トリップもののメモ帳。
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ぶっちゃけて、まさかミレイの家族からそう言われるとは思っていなかった。
「連れ帰る? ……トキワにか?」
「他にどこに連れ帰れっつーんですか。嫌ですか?」
「嫌じゃねーよ!」
そこは即答できる。しかし、何でまた……?
「良い事教えてあげましょうか。実はですね」
ミレイの弟は、姉を見た。
「姉がいなくなって、帰ってきた事。俺とあと二人しか、気付かなかったんですよ。しかもその二人だって、多分俺と同じ事言うと思います。是非とも連れ去ってしまえってね」
ウタタも攫ってこいとか言うし、本当にどうなってるんだ。
「そのうちの一人には、グリーンさんも会った事と思うんですよね。ウタタっていう名前で登録してるトレーナーさんらしいんですけど。うちの姉がいなくなる前に音信不通になってて、やっと会えたって姉が喜んでましたから。ちなみにもう一人もネット上の知り合いらしいですね」
「は? ……お前んちの両親は? いないのか?」
「や、いるっちゃいるんですけど、気付きませんでした。いや、姉が帰って来た事、残念がってるかな。『姉』がいなくなった後も、姉の『影』が残っていたんです。とても几帳面で真面目で、遊びなどクダラナイと考える勉強一筋の影が。夢を持たない、人形のような……。でも、成績は上がったんで、親は喜んでましたよ。そこへ姉が帰ってきて……分かりますよね?」
できれば分かりたくない。考えたくない、そんな事。
「じゃあ、友達はどうなんだよ?」
「姉は元々、自称引き篭もり族ですよ? 親しい友達、そんなにいなかったんじゃないですか。そっちに行ってからの姉は会うたんびに賑やかになっていってたし、きっとそっちでは友達ができたんでしょ?」
聞けば聞くほどミレイがこの世界では幸せではないかのように聞こえてくるのは、こいつの話し方のせいなのか?
「帰ってきてからの姉、見てらんなかったです。夜な夜な部屋に引き篭もって、泣きじゃくって。影に合わせようとしてできもしない無茶して、フラフラんなって。やっと最近落ち着いてきたと思ったら、ゆうべ何か夢を見たとかで、また朝見たらドンヨリしてるし。だから気晴らしにっつってポケセン連れ出してきたんですけどね」
反対側から引っ張られた気がして弟からその姉へと視線を移すと、ミレイがオレの服の袖をギュッと握りしめていた。それがまるで、「もう離さないで」と訴えかけているようで。
「なぁ。こいつ、わざわざオレの記憶いじってから帰ったんだぞ」
「変な所で繊細なんですよね~。巻き込みたくなかった、悩んでほしくなかったって、本人は言ってましたけど。俺からすれば、ばっかじゃねーの? ってなもんやさんですよ」
「だよなぁ。オレも見くびられたもんだ」
こうなったら、本気で連れ帰る事を検討してやる。
「んじゃ、まずはアルセウスに聞いてみて……」
「あ、それはさっき聞きました。問題なし、と」
「……お前……図ったな?」
「連れ帰る? ……トキワにか?」
「他にどこに連れ帰れっつーんですか。嫌ですか?」
「嫌じゃねーよ!」
そこは即答できる。しかし、何でまた……?
「良い事教えてあげましょうか。実はですね」
ミレイの弟は、姉を見た。
「姉がいなくなって、帰ってきた事。俺とあと二人しか、気付かなかったんですよ。しかもその二人だって、多分俺と同じ事言うと思います。是非とも連れ去ってしまえってね」
ウタタも攫ってこいとか言うし、本当にどうなってるんだ。
「そのうちの一人には、グリーンさんも会った事と思うんですよね。ウタタっていう名前で登録してるトレーナーさんらしいんですけど。うちの姉がいなくなる前に音信不通になってて、やっと会えたって姉が喜んでましたから。ちなみにもう一人もネット上の知り合いらしいですね」
「は? ……お前んちの両親は? いないのか?」
「や、いるっちゃいるんですけど、気付きませんでした。いや、姉が帰って来た事、残念がってるかな。『姉』がいなくなった後も、姉の『影』が残っていたんです。とても几帳面で真面目で、遊びなどクダラナイと考える勉強一筋の影が。夢を持たない、人形のような……。でも、成績は上がったんで、親は喜んでましたよ。そこへ姉が帰ってきて……分かりますよね?」
できれば分かりたくない。考えたくない、そんな事。
「じゃあ、友達はどうなんだよ?」
「姉は元々、自称引き篭もり族ですよ? 親しい友達、そんなにいなかったんじゃないですか。そっちに行ってからの姉は会うたんびに賑やかになっていってたし、きっとそっちでは友達ができたんでしょ?」
聞けば聞くほどミレイがこの世界では幸せではないかのように聞こえてくるのは、こいつの話し方のせいなのか?
「帰ってきてからの姉、見てらんなかったです。夜な夜な部屋に引き篭もって、泣きじゃくって。影に合わせようとしてできもしない無茶して、フラフラんなって。やっと最近落ち着いてきたと思ったら、ゆうべ何か夢を見たとかで、また朝見たらドンヨリしてるし。だから気晴らしにっつってポケセン連れ出してきたんですけどね」
反対側から引っ張られた気がして弟からその姉へと視線を移すと、ミレイがオレの服の袖をギュッと握りしめていた。それがまるで、「もう離さないで」と訴えかけているようで。
「なぁ。こいつ、わざわざオレの記憶いじってから帰ったんだぞ」
「変な所で繊細なんですよね~。巻き込みたくなかった、悩んでほしくなかったって、本人は言ってましたけど。俺からすれば、ばっかじゃねーの? ってなもんやさんですよ」
「だよなぁ。オレも見くびられたもんだ」
こうなったら、本気で連れ帰る事を検討してやる。
「んじゃ、まずはアルセウスに聞いてみて……」
「あ、それはさっき聞きました。問題なし、と」
「……お前……図ったな?」
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