ポケモンH.G.トリップもののメモ帳。
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「……ちゃん。……しいの、サエちゃん?」
どこか気遣うような優しい声に、ウタタがふと目を覚ますと、視界いっぱいに広がる心配そうなミハルの顔。
頬に感じる温かさは、彼の体温だろうか。そう、彼の指が、頬に触れている。
「あ……。ミハルさん?」
「どうしたの? 悲しい夢を見た?」
「悲しい、夢……?」
呟いて首を傾げると、目尻からポロリと零れる涙。
「あ、また零れちゃった……」
ミハルはそう言い、そっと涙を拭ってくれる。
どうやら自分は、眠りながら泣いていたらしい、とウタタは理解した。
「あのね……、懐かしい、夢を見たの」
父がいて、母がいて、友達がいて。でもポケモンのいない、懐かしい世界の何気ない日常の夢。誇りを守るために手放した故郷。
「こんな夢……暫く、見てなかったのに。何で今更……」
ミハルはウタタが口を噤んだのを確認してから、そっと口を開いた。
「思い出しても……振り返っても良いって、サエちゃんの心が感じたからじゃないかな?」
「振り返っても、いい?」
「うん。もう振り返っても痛くないかもって、思ったんだよ」
心に余裕がなければ、思い出しても辛いだけの事は、振り返れないものだから。
「そっかな……。でもね、それだったら」
「ん?」
「やっぱり一人じゃ辛いよ。私がここまで来れたのは、私一人の力じゃないもの」
目を潤ませながら言うウタタに、ミハルは優しく笑いかけた。
「大丈夫だよ。僕がついててあげるから。……それとも、僕じゃ不安?」
「だ、誰もそんな事……!」
「じゃ、もう大丈夫だね」
わしゃわしゃと頭を撫でられて、ウタタは顔を赤くした。
追憶
独りじゃないから、きっと大丈夫。
どこか気遣うような優しい声に、ウタタがふと目を覚ますと、視界いっぱいに広がる心配そうなミハルの顔。
頬に感じる温かさは、彼の体温だろうか。そう、彼の指が、頬に触れている。
「あ……。ミハルさん?」
「どうしたの? 悲しい夢を見た?」
「悲しい、夢……?」
呟いて首を傾げると、目尻からポロリと零れる涙。
「あ、また零れちゃった……」
ミハルはそう言い、そっと涙を拭ってくれる。
どうやら自分は、眠りながら泣いていたらしい、とウタタは理解した。
「あのね……、懐かしい、夢を見たの」
父がいて、母がいて、友達がいて。でもポケモンのいない、懐かしい世界の何気ない日常の夢。誇りを守るために手放した故郷。
「こんな夢……暫く、見てなかったのに。何で今更……」
ミハルはウタタが口を噤んだのを確認してから、そっと口を開いた。
「思い出しても……振り返っても良いって、サエちゃんの心が感じたからじゃないかな?」
「振り返っても、いい?」
「うん。もう振り返っても痛くないかもって、思ったんだよ」
心に余裕がなければ、思い出しても辛いだけの事は、振り返れないものだから。
「そっかな……。でもね、それだったら」
「ん?」
「やっぱり一人じゃ辛いよ。私がここまで来れたのは、私一人の力じゃないもの」
目を潤ませながら言うウタタに、ミハルは優しく笑いかけた。
「大丈夫だよ。僕がついててあげるから。……それとも、僕じゃ不安?」
「だ、誰もそんな事……!」
「じゃ、もう大丈夫だね」
わしゃわしゃと頭を撫でられて、ウタタは顔を赤くした。
追憶
独りじゃないから、きっと大丈夫。
初めて書いたミハウタ。といっても、実はミハルさんの生みの親である空ラボ様とはあまり面識がないもので、ミハルさんのイメージはほぼココちゃん宅のミハウタを読んでのものになります。
最初の言葉がぼけているのは仕様です。寂しいの?と聞いているのか、悲しいの?と聞いているのか、それはミハルさんのみが知る事。
最初の言葉がぼけているのは仕様です。寂しいの?と聞いているのか、悲しいの?と聞いているのか、それはミハルさんのみが知る事。
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